- 2007年5月30日 10:13
- PJ news

文部科学省・元素戦略プロジェクトの概要(提供:文部科学省)
【PJ 2007年05月30日】- (3)からのつづき。文部科学省 研究振興局 基礎基盤研究課下岡豊さんへのインタビューの続き。
-このプロジェクトは「第3期科学技術基本計画」(H22年度まで)の一環として位置付けられていますが、基礎科学技術の実用化までには、さらに長期間の支援が必要だと思われます。この点について、お考えをお聞かせください。
「元素戦略の考え方は、従来の材料開発の流れをさらに発展させ、環境問題や資源問題に対応していくものです。このため、元素戦略はこの5年間の間にも様々な角度からの研究が進められるべきですし、その後も実用化に向けた方向性を含めて、研究を推進していくことが必要です」
-プロジェクトは、将来的には現代科学技術を支える基盤材料へとつながっていくと考えられますが、実用化・商品化のためには、基礎研究を行っている大学等の公的研究機関から、民間会社への技術移転が不可欠だと思います。しかし、大学や独立行政法人などの公的研究機関が公的研究資金で取得した特許やノウハウの民間移転は、実施料等の点で、移転プロセスが確立していないようにも思います。実施料が高すぎれば民間企業は手を出しにくい、かといって、税金を投入した特許を安くライセンスしてしまうこともできない、あるいは国有特許をライセンスする相手先を限定してしまうと代替材料の効果が薄れる、など、さまざまな課題があるように思いますが、このような知財の取り扱いについては、どのようにお考えでしょうか。
「本プロジェクトでは産学官連携チームの構成を要件としており、民間企業と大学あるいは独立行政法人が連携して研究開発を推進することとしています。これにより、プロジェクト期間中から終了後にかけて、参画企業による実用化が進むことを目指しています」
「技術移転に関してはさまざまな課題がありますが、こうした研究開発体制の構築が公的研究機関から民間への技術移転の促進につながることを期待しています」
-最後になりますが、一般市民にむけたメッセージがあればお聞かせください。
「我が国は地下資源に恵まれない国です。しかし、我が国を支える先端産業は、世界的に見ても貴重な元素を様々な先端製品の材料を作るために使用しています。」
「石油の枯渇の問題は、ガソリンの値上げなど、生活に直結する問題として皆さんの意識にあると思いますが、先端産業を支えている希少元素の枯渇や価格の高騰、輸入ができなくなるリスクといった問題は、石油同様に、我々の生活に大きな影響を持つ問題です」
「このような貴重な資源を奪い合うのではなく、有効利用していくことは、単なる経済的な問題のみならず、地球環境の問題としても非常に重要です。このプロジェクトで問題となる元素は、決して皆さんになじみ深いものではないかもしれませんが、是非関心を持っていただければと思います」
-お忙しいところ、ありがとうございました。このプロジェクトが、よりよい科学技術社会の実現につながるよう、期待しています。【つづく】
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