- 2007年5月16日 05:19
- PJ news
【PJ 2007年05月16日】- わたしの使っているソフトバンクモバイルの携帯電話が、使用中に突然電源が切れるようになってしまい、近所の直営ショップに修理を依頼した。それから1週間後、「基板ごと交換することになりそうなので、データが消えてしまうことをご了承いただけますか?」と電話をいただいた。
デジタルツーカー時代に契約してから約10年、何回かの機種交換をしてきたが、ずっとシャープ製の端末だった。携帯電話の基板交換は、今回の機種では初めてだが、通算するとこれで4度目。基板交換のたびに、電話帳も、保存したメールも消えてしまっている。いつもは、メモリ編集ソフトで電話帳だけはバックアップしていたのだが、今回は、バックアップするのを忘れてしまっていたので、できればデータを残して修理してもらいたかった。
わたしが「修理のたびに基板交換になってしまっているのですが、今回はどんな不具合があったのでしょうか。落としたり、水をかぶったりするようなことはなかったので詳しく教えていただけませんか」と問うと、ショップの店員さんは「修理の担当に聞いてみますので、もう少しお時間いただけますか?」と答えたのだが・・・。
さらに1週間後。店員さんは「メーカーに問い合わせてみたんですが、原因としては、ウイルスに感染したことなどが考えられるという話でしたが、原因ははっきりしないという感じでした」との返答があった。「ウ、ウイルスですか?どうやって感染するんですか?」とわたし。店員さんは「音楽データなどをダウンロードした時に感染する場合があるようです」と。
「使っていたのはショートメールと通話だけで、インターネットに接続したこともなければ、データをダウンロードしたこともないんですが。その、ウイルスというのは、どんなウイルスなんでしょう」と聞いてみると、店員さんは「わたしも聞いてみたんですが、企業秘密ということで教えてもらえませんでした」と困惑した様子だった。
企業秘密。そんなバカな話があるか。通常の使用で、基板を交換するほどの不具合を引き起こすウイルスがあるなら、それは大問題だ。企業秘密などと言っている場合ではない。一刻も早くその情報を公表し、対策を立てるのが事業者の責任だ。
「そのウイルスについて聞いてみたいのですが、メーカーに電話してもいいですか?」と続けると、「修理については、ショップを通じてメーカーに問い合わせることになっていまして、お客様が直接お電話されることはご遠慮いただいています。できれば、お客様センターにお問い合わせいただきたいのですが」と店員さん。早速お客様センターに電話をした。
「携帯電話の不具合の原因をショップでうかがったところ、ウイルスに感染した可能性もある、と言われたのですが、ウイルスについて教えていただけますか?」とわたし。ソフトバンクお客様センターの担当者は「わたしがお客様の携帯電話を見たわけではないのでわからないので、ウイルスの可能性もある、ということしか申し上げられません」と答えた。
言われるまでもない。センターに電話して、わたしの携帯電話を点検した人が出るとは思っていない。だが、問題の携帯電話は、ソフトバンクの社内にあるのだ。預かっている携帯電話に関する情報すら共有していないのか。「ショップを経由してメーカーに問い合わせていただいたところ、詳細は企業秘密で教えられない、とメーカーから回答があったらしいのですが、メーカーに直接電話してもいいですか?」と問うと、「わたしどもでは、メーカーを直接ご紹介することはしておりませんので、ショップ経由でお願いしたいのですが」とセンター担当者。
「その結果が、企業秘密、ということだったんですが」とわたし。「そうであれば、その回答がソフトバンクとしての回答ということになります」とセンター担当者。…埒が明かない。
ソフトバンクモバイルの内部体制には首を傾げざるを得ない。ショップの店員さんには、とても親切に対応していただいたが、修理の対応については取り次ぐだけの役割しかないようだ。お客様センターはメーカーとは繋がっておらず、問い合わせをショップに回すだけ。メーカーは奥の院に鎮座していて、ショップの店員さんからの問い合わせに答えるだけ。疑問を解消しようとする姿勢は感じられない。
一体として事業を行っているはずなのに、誰一人として当事者意識を持っていないように感じた。もし、ウイルス情報が確かなら、対応するのは誰なのか。わたしの携帯電話がウイルスに感染したとすれば、感染経路は通話か、メールに限られる。全てソフトバンクの内部ネットワークでの話だ。
ウイルスに感染したとしても、基板のメモリーのリセットで済むはずだ。ハードウェア(基板)を交換しなければならないような不具合を引き起こすウイルスとは、どんなウイルスなのか。そんなウイルスに感染するセキュリティホールがあるなら、すぐにファームウェアのアップデートをするべきではないのか。
ショップ経由の利用者からの問い合わせに、その可能性を挙げるほどのウイルス感染報告が、今までにあったのか。ならば、それを公表していないのはなぜか。少なくとも、使用者への注意喚起は当たり前なのではないか。「企業秘密」などという言葉が使われるような場面ではない。事実なら、シャープは、メーカーとしての責務を放棄している。
結論から言うと、基板を交換しなければならないようなウイルスなど、存在しないのだろう。携帯電話に感染するウイルスが初めて報告されたのは2004年。しかし、このウイルスはSymbian OSを搭載した携帯電話にのみ感染するウイルスで、ソフトバンクモバイルの携帯電話にはこのOSは搭載されていない。そのほか、インターネットであちこち検索してみたが、シャープ製のソフトバンクモバイル携帯電話(WINDOWS搭載機を除く)に感染する可能性があるウイルスなど、ただの1件たりとも報告されていない。
「不具合の原因はウイルス感染」と言われた人は複数いるようだが、感染した客観的証拠はどこにもない。おそらく、修理担当部局では、不具合箇所を見つけるのが面倒で、基板を丸ごと交換することになっているのだろう。その原因を、正体不明の「ウイルス」にかぶせ、詳細は企業秘密として明らかにしないクレーム対応マニュアルがあるに違いない。
ソフトバンクの「他人事体質」と、不具合の詳細を「企業秘密」とするシャープ。この問題、根は深そうだ。とにかく、取材を進めてみようと思う。ウイルス問題の真相は、後日。
<お願い>
シャープ製のソフトバンクモバイル(旧J-Phone、旧Vodafoneを含む)携帯電話機で、「ウイルスが原因」と言われた方はいらっしゃいませんか。取材の参考にさせていただきますので、故障時期と機種を明記のうえ、情報をお寄せください。申し訳ありませんが、締切は5月18日とさせていただきます。なお、メールアドレスなどの個人情報の取り扱いには細心の注意を払います。
【了】
- Newer: すごいことをいった安倍首相
- Older: エキスポランド・コースター事故はナットの緩みが原因か