- 2008年2月 5日 06:19
- PJ news
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【PJ 2008年02月05日】- 4日の報道によれば、毒入りギョーザ事件に関連して昨年12月末「アンモニアのようなにおい」や「魚が腐ったようなにおい」がする商品が見つかり、外側がベタベタしていたのでレジで回収したようです。「アンモニア臭」「ベタベタ」というのに注目です。
ギョーザから検出されている有機リン「メタミドホス」そのものの臭(にお)いは、"メルカプタン臭"と言われています。パーマをかけた後に、硫黄のような臭いがするときがありますよね。あれがメルカプタン臭です。ですから、ギョーザのパッケージの「アンモニア臭」は、問題の「メタミドホス」の臭いではないのです。
では、アンモニア臭はどこから来たのでしょうか。
日本では「メタミドホス」を農薬に使うことが許可されていません。このため、日本国内では検査用試薬として売られている程度でほとんど流通していませんが、土壌から検出される場合があります。それは、「アセフェート」という一般的に使われている農薬が分解して、メタミドホスと酢酸に変わるからです。酢酸は、料理に使うお酢の原料です。酸っぱいにおいがします。
日本国内でメタミドホスを「こっそり」作ろうと思えば、アセフェートが入っている農薬を買ってきて、水を加えて分解するのが手っ取り早いと思います。ただし、分解はゆっくり進むので、アセフェートを完全に分解させるにはそれなりの設備と技術が必要です。今回のギョーザ事件ではアセフェートの話は全く出ていませんので、もし日本国内でメタミドホスを作ったとすれば、アセフェートを完全に分解させる、あるいはメタミドホスだけを取り出す技術を持った人が犯人だと思います。ですが、そんな手のかかることをするでしょうか。毒物を入れることが目的なら、もっと強力で手に入りやすい毒物があります。
メタミドホスを工業的に作るときには、三塩化リン、硫黄、メタノール、アンモニアを原料にします。中国政府は今年1月9日にメタミドホスの製造・流通・使用を禁止しましたが、問題のギョーザが製造されたのは昨年のようですので、その時点では、中国国内でメタミドホスが製造され、販売されていたことになります。
メタミドホスの透明な結晶がテレビで紹介されていますが、あれは、高純度に精製された「研究用」メタミドホスです。農薬として売られていたのは、もっと純度が低い(純度70%程度)、ベタベタとしているドロドロの液体です。中国では、不純物が入ったドロドロの原液を水で薄めて使っていたのでしょう。ちなみに、有効成分100%の農薬はめったになく、精製するコストを抑えるために、多少不純物が混ざっていても、人体に無害な不純物、水洗い等で簡単に落ちる不純物であれば、混入が許されるのが普通です。原料に使われていたアンモニアは肥料にも使われる物質ですので、反応が不十分で残留していたとしても、農薬として問題なく販売されていたでしょう。
こう考えてくると、「アンモニア臭」「ベタベタ」の原因がなんとなく分かってきたような気がします。パッケージに付着していたのは、研究用の高純度メタミドホスではなく、原料に使われたアンモニアなどの不純物を含む"メタミドホス農薬の原液"ではないでしょうか。
中国国内では、「農薬がギョーザに混入した形跡はない」「日本国内で混入したのではないか」との意見もあるようですが、そう言い切れる証拠は全くないでしょう、とわたしは思っています。ギョーザの製造時に、中国ではメタミドホス農薬を簡単に入手できた。日本では入手が難しかった。そのことだけを考えても、日本で混入した可能性よりは、中国で誰かが混入した可能性のほうが圧倒的に高いと思います。他国に責任を押しつけるのは、自国内での十分な検証を終えてからにしましょうよ。
毒入りギョーザ事件を、政治問題化させてはいけません。責任を押しつけ合う前に、疑わしいところを徹底的に追求して、犯人を見つけることに専念すべきです。検証チームにとって政治介入は雑音でしかありません。春に予定されている胡錦濤・中国国家主席の来日がどうなろうが、関係ありません。そういう意味で「アンモニア臭」というのは、重要な手がかりだと思います。【了】
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